中国セメント産業の炭素排出権取引制度が導入
中国は、2030年のカーボンピークアウトおよび2060年のカーボンニュートラル実現に向け、全国炭素排出量取引市場(全国ETS)を強化している。、従来の電力セクターに続き、2025年3月からセメント、鉄鋼、アルミニウム精錬業界を2025年3月から追加した。これにより、二酸化炭素(CO₂)をはじめとする温室効果ガス(GHG)排出量の約60%が市場でカバーされることとなった。
中国セメント協会によると、中国のセメント生産1トン当たりのCO2排出量は597㎏である。2025年3月から炭素排出量取引市場(以下、ETSという)の対象となるの企業は、二酸化炭素換算の年間排出量が2万6000トン以上(セメント生産量で約5万トン以上に相当のセメント生産)の企業で、約1,200社が該当すであると見込まれている。
セメント業界へのETS導入は2段階に分けて推進されている。しており、2024年から2026年にかけての第1段階では、として2025年内には、対象となるセメント企業へに具体的な削減目標が設定され、初回の排出枠履行(コンプライアンス)義務が課される見通しであが設定されるとする。2027年から第2段階ではになり、セメント各社は本格運用へ移行し、セメント各社はに向けて排出権の購入コストを抑えるため、省エネ技術やCCS(炭素回収・貯留)などの低炭素技術への投資を加速させると想定されている。一方、小規模や高排出の生産ラインは閉鎖・や統合され、業界の再編が進むとみられ想定されている。
政府は2024年と2025年には、政府はベンチマーク方式に基づき従って、セメントクリンカー製造生産企業に対して、初期の二酸化炭素CO2排出枠を無償で割り当てる。
2025年とから2026年対象にかけての排出枠は、炭素排出強度管理方式、すなわち「実際の生産量 ×単位生産量当たりの炭素排出量基準値」に基づいて確定される。また、エネルギー効率の高い企業には報奨排出枠を与えるスキームも設けられている。この報奨排出枠は、排出原単位が業界のベンチマーク値を下回る優良な企業に対しての、実際に検証された済みの排出量を上回る分の超える排出枠を付与するものである。
2025年の政策に基づくと、セメント企業の単位生産量当たりの炭素排出強度が国の基準値を下回る場合、その企業は炭素排出枠の需給バランスを達成できるだけでなく、余剰分の排出枠を生み出すの余剰も生じることも可能とになる。
一方、中国のセメント生産量は下図に示したように、減少の一途をたどっており、2025年には16.93億トンとなり、2010年以降来の最低数値を下回った。これはピークである2014年の24.8億トンから約3割の縮小であり、2009年の16.55億トン以来の水準となる。この需要低迷期におけるETSの導入は、業界の構造調整と再編を決定づける要因となる見通しであるった。

出典:「2025年度中国セメント業界経済運行報告書」、デジタルセメント網。

