中国、全国統一の「製品カーボンフットプリント表示認証制度」を本格始動
−−−− 初の認証授与とマークのデザイン概要 −−−−
中国のカーボンフットプリント(CFP)認証制度は、国家市場監督管理総局や生態環境部などの主導により、2027年までに全国統一の管理システムを構築することを目指して整備が進められている。
2024年8月に国家市場監督管理総局を含む4部門が共同で「製品カーボンフットプリント表示認証の試験的実施に関する通知」を発行し、リチウムイオン電池、セメント、太陽光発電モジュール、鉄鋼製品、繊維製品、ルームエアコンなど17の製品カテゴリーを対象とした試験的実施を正式に開始した。
続く2025年3月には、同総局が所管する国家認証認可監督管理委員会(CNCA)が、認証認可条例や認証機構管理方法等の関連規定に基づき、認証の規範化を目的とした「製品カーボンフットプリント表示及び認証に関する一般実施規則(試行)」を発表した。
今年5月、国家市場監督管理総局は試験的実施の対象となった69件の申請に対してピアレビューおよび審査を実施した。その結果、最終的に6社7製品が認証要件を満たしていることが確認され、これら6社に中国初となる「製品カーボンフットプリント表示認証書」が授与された。
リチウムイオン電池分野において認証を取得したのは、業界を牽引するCATL(Contemporary Amperex Technology Co., Limited、寧徳時代)である。中国・福建省に拠点を置き、主に電気自動車(EV)向けの車載電池を製造・開発をしている。トヨタ、ホンダ、BMW、フォルクスワーゲン、テスラなど、世界中の主要な自動車メーカーに車載電池を広く供給している。
セメント業界では、寧夏賽馬セメント有限公司が3製品で認証を取得した。対象製品は、52.5級汎用セメントクリンカー、42.5級普通ポルトランドセメント、及び42.5R級普通ポルトランドセメントである。
寧夏賽馬セメント有限公司は、寧夏建材集団有限公司が傘下に収める国有企業である。2012年に設立され、登録資本金は5億元で、寧夏回族自治区銀川市に本社を置き、セメントやコンクリート、関連製品の研究開発・生産のほか、産業廃棄物の処理を主事業としている。
「52.5級汎用セメントクリンカー」は、汎用ケイ酸塩セメント生産向けの半製品である。「52.5」は、セメントモルタルの圧縮強度が52.5MPaであることを示し、構造物の耐震補強や、高層ビル、大型橋脚のグラウトなど、高い耐久性と構造的な強度が求められる工事に用いられる。一方、「42.5級普通ポルトランドセメント」は建設工事で最も一般的に使用されるセメントの一つである。「42.5」は、標準養生条件下における試験ブロックの圧縮強度が42.5MPaに達するものを指す。そのうち「42.5R」は、通常のセメントに比べて初期強度の硬化が早い「早強型セメント」であり、工事の型枠を早期に脱型したい場合や、寒冷地の施工など、建設事業において必要不可 欠な資材となっている。
報道によると、セメント製品のカーボンフットプリント表示認証の取得は、セメント企業が国際的な「炭素関税」に対応する上で有益であり、中国製の低炭素セメントが国際市場に参入するための「通行証」となると期待されている。
図は中国の「製品カーボンフットプリントマーク」である。緑色を基調とし、「足跡」をモチーフにしたデザインによってカーボンフットプリントの概念を表現している。マークの下部にアラビア数字で排出量などのデータが記載されるフォーマットとなっている。

国家市場監督管理総局HP、関連省政府HP等の報道に基づき整理。

