中国、年間50万トン規模のCCUS事業

   3月22日、50万トン/年のCO2回収と資源化・エネルギー化利用に関する技術研究及びモデルプロジェクトが、国家能源集団泰州発電有限公司(所在地:江蘇省泰州市)で着工した。

図 国家能源集団泰州発電有限公司

   このプロジェクトは国家能源集団泰州発電有限公司の100MW級超々臨界圧二段再熱式石炭火力発電プラントを利用し、化学吸収法が採用される。大型石炭火力発電所のCO2排出削減の課題を大規模CO2分離回収システムと発電所の熱力系統のカップリングを最適化して徹底的に解決する。建設完了後はCO2分離回収率90%以上、回収量は年間50万トンになる。CO21トンを分離回収する際の電力消費量は90kWh未満、エネルギー消費量は2.4GJ未満である。

   中国は2020年9月開催の国連総会で、2030年までにCO2排出量をピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現するという双炭目標を世界に発表した。

   CO2回収・有効利用・貯留(CCUS)技術は、発電所や化学工場などが排出するCO2を他の排気ガスから分離・回収して資源として有効利用、または地下に貯留する技術である。双炭目標の達成に不可欠な技術の一つであり、現時点では火力発電と工業プロセスから排出されたCO2を大幅に削減できる唯一の技術である。

   中国は2007年頃からCCUS事業を実証的に行い、大規模なCO2回収・利用・貯留能力を備えている。北極星電力網の統計によると、2022年4月現在、100万トン級CCUSプロジェクトは建設完成・建設中・計画中を合わせて6件ある。詳細状況を下表に示した。

情報源:中国電力新聞網、北極星電力網などによりGCFEN編集

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