中国の鉄スクラップ輸入が鈍化

   中国税関総署によると、2021年8月、中国の鉄スクラップ輸入量が4.44万トンで、前月比50.73%減少した。輸入量半減の原因は以下の通りである。

  1. 電気炉の稼働が抑制されるため、鉄スクラップ需要減

   最近、中国では汚染物質の排出が多く、エネルギー多消費の産業への規制がますます厳しくなっている。一部の地域ではエネルギー多消費産業に対して電力の使用量や使用時間帯を制限したり、電気料金を引き上げるなどの規制措置が講じられている。鉄鋼企業はこの影響を受け電気炉の生産が抑制され、鉄スクラップの需要が減少している。

   2. 中国国内の鉄スクラップ価格と輸入ものの価格は逆転現象

   鉄鉱石の大幅な値下げを受けて、中国国内の鉄スクラップ価格が抑えられた。その一方で、国際貿易での物流コストの高まりと輸送能力不足の影響で、鉄スクラップの海外から輸入価格が高止まりしている。こうした中国国内の鉄スクラップ価格と輸入価格の逆転現象が起きたことで、短期的に輸入が改善される見込みがないとの市場分析である。


出典:中国税関総署整理

図 月別の中国鉄スクラップ輸入推移(2021年1月〜8月)

情報源:富宝鉄鋼、中国税関総署より整理作成

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