中国、「全国統一大市場の建設加速に関する意見」を発表

 4月10日、「中共中央(中国共産党中央委員会)・国務院(内閣に相当)の全国統一大市場の建設加速に関する意見」(以下「意見」)が発表された。

 この意見は、全国の統一的な大市場建設が新たな発展構図[1]の構築における基本的支柱と内在的要求であることを明確に示し、全国統一大市場の建設を次の6つの面から加速させるとしている。

  • 市場の基礎的制度統一の強化、
  • 高水準の市場施設相互接続の促進、
  • 統一的な要素[2]・資源市場の構築、
  • 高度な商品・サービス市場統一の促進、
  • 市場監督管理の公平性と統一の促進、
  • 不当な市場競争と市場介入といった行為に対するさらなる規範化である。

 そのうち、統一的な要素・資源市場の構築については、全国統一のエネルギー市場の建設、全国統一の生態環境市場の育成が要請される。具体的な方策は下記の通りである。

  • 全国統一のエネルギー市場の建設

 エネルギーの安全と供給を効果的に確保することを前提とし、CO2 排出ピークアウト・カーボンニュートラル目標につながる全国のエネルギー市場の建設を秩序立てて推進する。

 配置を最適化した上で統一的に計画し、石油・天然ガス先物の製品システムを完備し、石油・天然ガス取引センターの建設を規範化し、取引場所、受渡倉庫など重要インフラの配置を最適化する。石油・天然ガスパイプライン網の相互接続を推進し、各種市場主体に公平に開放する。天然ガスの統一的な熱量計測・価格決定メカニズムの確立を加速させ、天然ガスの市場化改革を着実に促進する。

 全国電力取引センターの時宜を得た設立を促進し、多方面かつ統一的な電力市場システムを健全化する。

 全国統一の石炭取引市場の整備を推進し、全国石炭取引センターの機能をより一層発揮させる。

  • 全国統一の生態環境市場の育成

 公共資源取引プラットフォームを利用し、全国統一の炭素排出権と用水権の取引市場を建設し、統一的かつ規範的な業界標準、取引監督管理メカニズムを実行する。

 汚染物質排出権、エネルギー使用権の市場化取引を推進し、初期分配、有償使用、市場取引、紛争解決、関連サービスなどの制度の確立を模索する。グリーン製品[3]の認証と標識体系の建設、環境に配慮した生産・消費活動を促進する。

       情報源:新華社、北極星電力網などによりGCFEN編集

[1] 新たな発展構図は2020年4月の中国共産党中央経済委員会第7回会議で、習近平総書記が提起したとされる、国内大循環を主体とし国内と国際の2つの循環(「双循環」)が相互に促進する発展構図である。

[2] 要素市場は「生産要素市場」とも呼ばれ、金融市場、労働力市場、技術市場、情報市場、財産権市場などを含む。

[3] グリーン製品とは、廃棄物等を資源として有効利用し、品質や安全性などの一定の基準を満たした製品など、環境に十分に配慮されたものである。

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