山東省 CO2排出減量置換方法を発表

 山東省は中国のCO2排出量の約10分の1を占めている。発生源は主にエネルギー多消費産業、汚染物質が多く排出する産業であり、中国ではこれを「両高」という。

 5月9日、山東省生態環境庁と山東省発展改革委員会は高度な生態環境保全と質の高い経済成長を促進するために、「山東省エネルギー多消費・汚染物質多排出型の新規プロジェクトに関するCO2排出減量置換※方法(試行)」(以下「方法」)を発表し、「両高」産業のCO2排出抑制を厳しくするとした。この方法は2022年4月29日から施行され、2024年4月28日まで有効となる。

 この方法では、石油精錬、コークス、石炭液化、鉄鋼、鋳造、石炭火力発電など16業種の上流側の一次加工処理、高エネルギー消費・高汚染物質排出分野の投資プロジェクト(改設、増設、技術改良プロジェクトなどを含む。環境保全と省エネ改造、安全施設改善、製品品質向上など、生産能力が変わらない技術改良プロジェクトを除く)を対象とする。

 省内に実施予定の「両高」プロジェクトにおいてCO2排出量削減の目的達成を確保するため、上記16業種、次の範囲のプロジェクトに対してCO2排出減量置換を実行する。

  • 企業の閉鎖と生産転換によって削減されるCO2排出量
  • 立ち後れた生産能力の淘汰と過剰生産能力の解消によって削減されるCO2排出量
  • 建設予定プロジェクトの建設企業が再生可能エネルギーとクリーン電力で化石燃料を代替することによって削減されるCO2排出量
  • 他の方法によって削減されるCO2排出量

情報源:山東省生態環境庁HP、北極星電力網などによりGCFEN編集

※注:「減量置換」とは、中国の石炭消費削減の取組の一環である。原則として新規の石炭多消費プロジェクトを制限すること。必要な新規CO2排出量を確保するため、生産撤去・停止などによって削減される倍量(例えば1.2倍や1.5倍)のCO2排出量で置き換える方法である。

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