中国 2022年1~3月の液化水素プロジェクト

   2020年以降、中国は液化水素産業を非常に重視しており、プロジェクトの開発や関連政策を打ち出したりしている。勢銀能鏈の統計によると、2022年1~3月の液化水素プロジェクトは建設完了・建設中・計画中を合わせて6件ある。その詳細は下記のとおりである。

1.華久氢能源の民生用液化水素プロジェクト

   1月10日、華久氢能源(河南)有限公司(所在地:河南省洛陽市)は、同社の液化水素プロジェクト、敷地面積80ムー(約5.33万m2)、投資額は3.068億元の第1期を2021年12月29日に建設完了して、試運転調整に入っていると発表した。

   この液化水素プロジェクトは2期に分けて建設され、第1期は高圧水素4,000トン/年、第2期は液化水素2,700トン/年、高圧水素3,700トン/年の生産能力となり、2023年6月から第2期の生産を開始する。稼働後に国内最大の民生用液化水素プロジェクトになる。

   プロジェクトにおける液化水素関連のプロセス、技術、プラントなどはすべて、江蘇国福氢能技術装備股份有限公司が提供する。

2.中科富海液化水素工場プロジェクト

   2月、北京中科富海低温科技有限公司(所在地:北京市)傘下の1.5t/d液化水素工場プロジェクトが建設を開始した。

   1.5 t/d液化水素プラントプロジェクトは国産で民生用のコンプライアンス液化水素実用化モデルプロジェクトで、中国初である。そこで生産される液化水素は主に低温研究、水素ステーションモデルプロジェクト、液化水素貯蔵・輸送、航空宇宙、燃料電池自動車、液化水素関連設備などの研究・開発に用いられる。

   稼働後、国内の液化水素工場の先駆けとなり、燃料電池自動車と水素ステーションの普及、液化水素関連設備の研究開発の基本的なサポートを提供する。

3.斉魯氢能の一体化及び水素貯蔵設備製造プロジェクト

   2月25日、斉魯氢能(山東)発展有限公司(所在地:山東省淄博市)建設の水素一体化及び貯蔵設備製造プロジェクトの着工式が山東省淄博市で行われた。

   この水素一体化及び貯蔵設備製造プロジェクトは淄博市臨淄区斉魯工業園に位置し、敷地面積は480ムー(約32万m2)、総投資額は約5.4億元である。2期に分けて建設され、水素ガス精製装置、水素製造装置、液化水素タンクエリア、荷役作業場所、DCS室などを設置する。

   建設完了後、年間で液化水素1.32万トン、高圧水素ガス7,920万Nm3を生産し、中国最大の液化水素事業となる。

4.国富氢能の民生用大型液化水素貯蔵設備プロジェクト

   3月9日、民生用大型液化水素貯蔵設備では中国初のプロジェクトが江蘇国富氢能技術装備股份有限公司(所在地:江蘇省張家港市)で生産を開始した。

   生産される液化水素貯蔵設備の一部が斉魯氢能の一体化及び水素貯蔵設備製造プロジェクトに供給される。設計寸法200m3以上、水素貯蔵量14トン以上、設備製造と試運転調整などを含む期間は4~6カ月で、2022年8月出荷予定である。

5.中広核集団の水素液化機プロジェクト

   4月、河南省鞏義市は中国広核集団有限公司の型番1TPD、5TPDのヘリウム循環水素液化装置を導入したと発表された。

   このプロジェクトの投資先は中広核資本控股有限公司河南白鷺氢科股権投資基金合伙企業(パートナーシップ企業)と鞏義市先進製造産業発展基金で、今後5年間で生産額は27億元/年、税収は3億元/年になると見込まれている。

6.久泰液化水素プロジェクト

   4月、エアプロダクツ久泰(内モンゴル)氢能源科学技術有限公司(所在地:内モンゴル自治区フフホト市)の久泰液化水素プロジェクトの環境アセスメント報告書がフフホト市生態環境局に許可された。

   このプロジェクトは内モンゴル自治区トクト県(中国語:托克托)の工業園区に位置し、総投資額は7.25億元、そのうち環境関連の投資額は488万元である。内モンゴル久泰新材料有限公司のメタノールを原料として液化水素と水素ガスを製造する。水素精製能力は15,000 Nm3/hで、水素液化能力は30 t/d、水素ステーションの供給能力は75 kg/hである。  

情報源:北極星電力網などによりGCFEN編集

 

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