中国 再生可能エネルギー14次五カ年計画が公表

 6月1日、中国国家発展改革委員会、国家エネルギー局、財政部などの9官庁が共同で、「『第14次五カ年計画(2021~25年)』再生可能エネルギー発展計画」(以下、「計画」という)を公表した。

 2030 年までのCO2排出量ピークアウトと 2060 年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、同計画では2025年までに非化石燃料エネルギーがエネルギー消費量ベースの20%前後を目指し、以下 4 つの目標を定めた。

1.再生可能エネルギーの総消費量

 2025年に再生可能エネルギー消費量を標準炭換算で10億トン前後を目標にする。「第14次五カ年計画」期間中、再生可能エネルギーの割合を一次エネルギー消費量増加分ベースで50%超過とする。

2.再生可能エネルギー発電量

 2025年に再生可能エネルギー発電量を年間3兆3,000億kWh前後にする。再エネルギー発電量の増加量が社会全体の電力消費量の増加量に占める割合を50%以上にする。風力・太陽光発電量を倍増させる。

3.再生可能エネルギー電力消費比率

 2025年に再生可能エネルギー電力量を33%前後、非水力発電利用を18%に達成する。

4.電力利用を対象外とする再生可能エネルギー消費量

 2025年には地熱による暖房、バイオマスによる熱供給、バイオマス燃料、太陽熱利用など、電力利用を対象外とする再生可能エネルギーの消費量を標準炭換算で6000万トン以上にする。

 上記の目標を実現するために、供給、消費、技術などの面から重要任務を明確に打ち出した。

  • 供給について

 再生可能エネルギーの発展モデルを最適化し、大規模に開発する。「三北(東北、華北、西北)」地域における風力・太陽光発電基地の建設、中東南部地域における風力・太陽光発電の分散型開発、西南地域における水力・風力・太陽光総合エネルギー基地の一体化開発、東部沿海地域では洋上風力発電産業のクラスター形成を積極的に推進する。バイオマス開発の多様化、地熱発電開発の大規模化、海洋エネルギー資源開発モデル化を着実に推進する。

  • 消費について

 再生可能エネルギーの貯蔵と消費を推進する。利用率と貯蔵能力を向上させ、地産地消、域外供給と消費を促進する。再生可能エネルギー、電気、熱およびガスの多様な直接利用を強化し、水素の大量製造による再生可能エネルギーの利用を促進し、農村地域での再生可能エネルギーの総合利用を拡大する。

  • 技術について

 再生可能エネルギーのイノベーション駆動型かつ質の高い発展を推進する。技術革新の難関突破に注力し、発展の新モデル・新業態を育成し、産業チェーンとサプライチェーンの現代化水準を高め、イノベーション・チェーンを完備する。

  • 体制について

 健全な体制・仕組みを整備し、再生可能エネルギー市場を発展させる。再生可能エネルギー分野における「放・管・服[1]」改革を深化させ、再生可能エネルギーの電力消費保障メカニズムと市場化メカニズムを整備し、グリーンエネルギー消費メカニズムを確立・健全化する。

 

情報源:中国国家発展改革委員会HP、北極星電力網などによりGCFEN編集


注:[1] 放・管・服とは簡政放権(行政簡素化と権限委譲)、放管結合(権限委譲と管理の両立)、優化服務(サービスの向上)の略称。「放」とは市場の参入障壁を下げることであり、「管」とは公正に監督、管理して公平な競争を促すことであり、「服」とは効率の高いサービスを提供し、便利な環境をつくることだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です