中国山西省が東京ビッグサイト水素・燃料電池展に出展

 

 2020年2月26日(水)~28日(金)、水素・燃料電池を含む世界最大のスマートエネルギーウイーク 2020 が東京ビッグサイトで開催され、中国山西省は当法人との協力のもとに、山西省の水素・燃料電池への取組の最新状況を紹介する展示ブースの設置し運営しました。その中で、2020年9月、同省の太原市で開催予定の国際エネルギー産業博覧会への招致活動を実施しました。

 山西省は、中国の中部地域に位置し、北京-天津-河北省などの主要都市に隣接し、面積は日本の約 4 割、15,67 万 km²で、3729 万(2019 年末現在)人の人口を擁しています。

 山西省は元々石炭生産で有名な省で、長らく「石炭の里」と呼ばれており、石炭を始めとする鉱物資源の開発と利用の産業チェーンで、採炭及び石炭火力発電などのエネルギー 産業、各製造業、鉄鋼業、材料産業を形成してきたところです。

 山西省は日本との文化交流や経済協力を積極に推し進めています。特に、1982 年には埼玉県と友好都市を提携するなどして、工業、農業、医療、環境、観光業、及び大学間の交流事業を多く実施しています。

 最近、中国政府は山西省を中国初のエネルギーのイノベーションの総合的な実施モデル 省として指定し、豊富な石炭資源、電力、ガス、及びそれを利用した製造業をベースにしつつ、新エネ、省エネ及び環境親和性の高い産業構造へ転換するグレードアップの活動に 取組んでいます。

 山西省は 2019 年 5 月に「山西省新エネルギー自動車産業 2019 年行動計画」(以下「計画」という)を発表し、水素燃料電池車に関連する金融補助金支援政策を策定し、中央政府と同額の省政府の補助金を事業者に提供することとし、水素ステーションの設置・運営と水 素燃料に補助することになりました。

 計画では、山西省は 2019 年から 2020 年の間に、水素エネルギー・燃料電池技術研究開発センターと燃料電池車測定検定センターをつくります。省内で水素ステーションを 3 ヵ所建設し、バス路線 10 系統で、700 台のバスを運行する実証事業を推進します。

 また、2021 年から 2022 年の普及段階では、水素バス運行系統を 300 系統とし、水素ステーションを 10 ヵ所とする計画です。

 さらに 2023 年から 2024 年の商業段階には、水素ステーション 20 ヵ所、省全体にバス路線を行き渡らせ、水素バス 7,500 台を運行する計画です。

 山西省は省内の太原市、大同市、及び長治市の各都市が省内企業とともに国レベルの水素・燃料電池自動車パイロットデモンストレーション都市への認定を申請する活動を支援 します。

 当法人は、水素・燃料電池分野での山西省の積極的な活動を、海外との協力拡大、技術導入で支援しています。特に、昨年 8 月末の山西省楼陽生省長(現書記)訪日に際には、 日中の経済・文化交流会開催の事務局を当法人が担当するなどして協力を深化させてきました。

 当法人は、今回の山西省政府展示ブースの設営・運営に際して、山西省の水素・燃料電池への取組を紹介するために、「水素社会に取り組む中国・山西省」の冊子を、山西省政府に協力して制作しました。 

 その内容には、大同市の太陽光発電による水電 解水素製造と水素ステーションや市内の水素バス運行状況の紹介、また、大同炭鉱集団、 太原鉄鋼集団有限公司、山西能源交通投資有限公司、及び山西潞宝集団の水素・燃料電池に対する事業等を紹介しています。

 また、ブースに来訪していただいた方々に、2020 年 9 月 6 日~8 日、国家商務部、国家科学技術部が山西省政府共催の中国(太原)国際エネルギー産業博覧会への参加を呼びかけました。

 今回の展示会はコロナウイルスの影響を受けて山西省政府関係者の来日は不可能となり ましたが、当法人は石炭化工、新エネ、環境分野等のエキスパート、中国語・英語・日本語が堪能な交流担当者を総動員して、三日間の展示期間中、日本国内外の来場者に山西省の水素社会への取り組みを紹介し、ビジネスの橋渡しに努めました。

 展示会開催期間中、来訪者と山西省政府機関、 関連企業が直接意見交換できるように、Skypeで東京ビッグサイトと山西省を常時つなげ、来訪された方々の高い関心をいただくことができました。

 当法人は、前述の中国(太原)国際エネルギー産業博覧会へ向けて、水素の製造、貯蔵、運搬、利用の産業チェーンの中で貢献したい と考えている日本企業を募っており、日本側参加企業と山西省政府及び中国企業のとの交 流を深めるべく、今後とも支援させていただく所存です。

以上

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