中国内モンゴル自治区の「14次5カ年計画」に明確な水素発展目標

 このほど、「内モンゴル自治区『14次5カ年計画』期間の水素発展計画」(以下「計画」)が発表された。

 この計画は内モンゴル水素エネルギーの2025年までの発展目標で、要点は以下となっている。

  • 60基を建設する。
  • 燃料電池自動車5,000台の普及。
  • 水素エネルギー産業の総生産額を1,000億元にする。
  • 水素エネルギー応用モデル事業・10プロジェクトを創生する。
  • 地域外から企業招致も含め水素エネルギー産業チェーン関連企業50社を育成し、国際競争力を持つトップ企業5~10社を含め、初歩的な一定の産業クラスターを形成する。

 内モンゴルは中国の重要なエネルギー及び戦略的な資源基地で、石炭埋蔵量、生産量はともに中国1位である。内モンゴルの水素産業は石炭保有の下で構築され、現在数多くのプロジェクトを推進している。

 内モンゴルのオルドス市、烏海市及び周辺地区はコークスの生産能力が2900万トン/年、カーバイトの生産能力が900万トン/年、クロールアルカリ化工の生産能力が400万トン/年を有しており、コークス工場とカーバイト工場の排気ガスを利用して水素生産する場合、年間81.4億m³の水素が産出されるとの試算である。

 また、烏海及び周辺は中国の太陽光、風力エネルギー資源が豊かな地区で、内モンゴルの風力発電の系統連系規模は2019年末まで30.06GWで、当地が受け入れる電力量は29.29GWだった。将来的には、再生可能エネルギーによる水素源の拡大が可能になると見込まれている。

 水素資源があり、また政府の水素政策の支援の下で内モンゴルの水素事業発展に有利な条件となり、近年、多くの企業の水素プロジェクトが内モンゴルを建設地にしている。わかる範囲での情報によると、国家電力投資集団、華能集団、美錦集団、上海電気等約17社の水素事業が内モンゴルで行われている。

 内モンゴルは国の水素事業計画の下で水素産業の良好な発展態勢とポテンシャルを示し、水素産業チェーンの最適化を行っている。

  情報源:勢銀能鏈、北極星水素網などによりGCFEN編集

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