中国政府は「一帯一路」のグリーン発展の推進に注力

   2022年3月末、中国国家発展改革委員会、外交部、生態環境部、商務部が共同で「『一帯一路』のグリーン発展の共同建設の推進に関する意見」(以下「意見」)を発表した。

   意見は、グリーン発展の重点分野の協力の推進、海外プロジェクトのグリーン発展の推進、グリーン発展支援保障システムの整備の3つについて、次の9つの主要分野、グリーンインフラストラクチャの相互接続、グリーンエネルギー、グリーン輸送、グリーン産業、グリーン貿易、グリーンファイナンス、グリーンテクノロジー、グリーン基準、気候変動への取り組みに具体的な15の任務を提出した。

グリーン・クリーンエネルギーの国際協力、グリーン・低炭素のモデル転換と発展

  「意見」は企業の太陽光発電、風力発電などの「海外進出」の奨励、グリーンエネルギーのベスト実証事業建設の推進、エネルギー技術装備分野の協力強化、さらに低コストで高効率化した再生可能エネルギー発電、原子力発電、知能型電力網、水素エネルギー、エネルギー貯蔵、CCSなどを中心とした共同研究と交流及び訓練の展開を要求した。

グリーン科学技術の協力

   グリーン科学技術にかかわる難しい課題の解決と導入利用、基礎研究と最先端技術の総合計画を強化し、先進的な適用技術の研究開発と普及を加速し、企業が低炭素、省エネ、節水、環境保護の材料と技術について優先的採用と奨励するとした。「一帯一路」の科学技術イノベーション行動計画のメカニズムを発揮し、グリーン技術分野で共同研究、プラットフォーム建設、「一帯一路」グリーン技術データーベース等の建設を支援する。

グリーン交通の協力

   国際協力を強化し、「一帯一路」沿線の国との共同建設を支援し、新エネルギーとクリーンエネルギーの車両、船舶などの省エネで低炭素の交通手段を促進し、中国が提案する高度道路交通システム(ITS)を普及させる。海外で鉄道の電気化グレードアップ改造プロジェクトに参加することを奨励し、グリーン物流などを発展させる。

   気候変動に対しては、引き続き「一帯一路」の「南南協力」※計画を実施し、グリーン・低炭素と省エネ・環境保護などの物資援助を提供し、「一帯一路」国家の共同建設の支援によって気候変動に対応する能力を向上させる。

   また、意見は「一帯一路」の共同建設のグリーン発展が2025年までに著しい成果を収め、「一帯一路」の共同建設のグリーン発展構造は2030年までに基本的に形成されるという目標を設定した。

※注「南南協力」とは、開発途上国の中で、ある分野において開発の進んだ国が、別の途上国の開発を支援することである。開発の進んだ国の多くが北半球にあり、途上国の多くが南半球にあることから、先進国と途上国の間の経済的格差の問題を「南北問題」と言うが、途上国(南)同士の間の協力は「南南協力」と呼んでいる。

       情報源:科技日報、人民日報、北極星電力網よりGCFEN編集

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