中国 「省エネルギー・新エネルギー自動車技術ロードマップ2.0」を発表

   10月27日、中国工業と情報化部の指導の下、中国自動車エンジニア学会(中国語:中国汽車工程学会)をはじめ関連機関、部署が作成した「省エネルギー・新エネルギー自動車技術ロードマップ2.0」(以下、「ロードマップ2.0」という)を2020中国汽車工程学会年会・展覧会で正式に発表した。

         出典:雷鋒網

 図 2020中国汽車工程学会年会・展覧会の開幕式

    ロードマップ2.0は自動車技術発展の社会環境、産業ビジョンに基づいて電動車発展戦略を堅持し、2035年に向けて下記の通りに6つの総合的目標を掲げている。             

   1.自動車産業のCO2排出量は、2030年にピークアウトするとした国の全体目標よりも早い2028年にピークを迎え、2035年にはピーク値より20%以上引下げられた削減量になる。             

   2.自動車産業は電動化への転換を実現し、新エネルギー自動車(以下、「新エネ車」という)が自動車市場の主流となる。

   3.中国方案に描かれたインテリジェント・コネクティッドカー(Intelligent Connected Vehicle、ICV)技術システムがほぼ成熟し、大規模に利用されるようになる。

   4.コア技術の自主化レベルを顕著に高め、調和的、効率的、安全で制御された産業チェーンを構築する。

   5.自動車と交通・エネルギー・都市との高度な融合を形成した高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems、ITS)を確立する。

   6.技術イノベーションシステムを最適化し、オリジナルイノベーションレベルは世界を牽引する能力に到達する。

 マイルストーン

   6つの総合的目標を指針とする「ロードマップ2.0」は2025年、2030年および2035年を節目として、産業発展のマイルストーンを示した。これに基づき2035年までにエネルギー自動車(以下、「省エネ車」という)と新エネ車の年間販売台数は全体の50%を占めることになる。また燃料電池車の保有台数は約100万台で、商用車は水素燃料電池車への移行を実現する。

表1 主要な目標値

出典:省エネルギー・新エネルギー自動車技術ロードマップ2.0

     ロードマップ2.0に重点的技術構成

   「ロードマップ2.0」は全体的技術ロードマップおよび9つの重点的技術分野で構成されている。9つの分野は、省エネルギー車、純電気自動車(BEV)・プラグインハイブリッドカー(PHEV)、燃料電池自動車、ICV、自動車駆動用バッテリ、新エネ車電気駆動システム、充電インフラ施設、自動車軽量化、自動車製造AI活用・コア設備である。

     燃料電池自動車について

   「ロードマップ2.0」で企画する燃料電池自動車は、燃料電池産業の出発点として燃料電池商用車の導入普及を進める。ステップⅠはバスと都市物流車で、再生可能エネルギー由来の水素製造、工業副生水素など水素供給能力が高い地域においては、重点的に中・大型バスと物流車を普及させ、ステップバイステップで中・大型トラック、牽引車、港湾向けトレーラー及び乗用車などを導入普及する。

   また、2030~2035年には燃料電池自動車の保有台数約100万台を目標に大規模な導入普及を実現し、コア技術を完全に把握し、高度な燃料電池材料・部品・システムの製造と産業チェーンを構築する。

表2 燃料電池車の主要目標

出典:省エネルギー・新エネルギー自動車技術ロードマップ2.0

    情報源:工業と情報化部装備工業第一司HP、第一電動網などより整理作成


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です