中国に水素ステーションは100ヵ所超

 中国政府の工業と情報部が発表した「省エネと新エネ自動車技術ロードマップ」(以下「ロードマップ」と略す)で取り上げた水素ステーションの設置目標は、2020 年に100ヵ所、2025 年に300ヵ所、さらに2030年に1,000ヵ所となっている。

 香橙会研究院の統計によると,2020年末までに中国全国で設置が完了した水素ステーションは累計121ヵ所であった。そのうちの3ヵ所は解体されたが、101ヵ所が運営中で、17ヵ所は運営準備中となっており、ロードマップが計画した2020年の目標を達成している。

 地域別に見ると、水素ステーションは全国20の省と市に設置されており、そのなかで最も多いのは計30ヵ所の広東省で、次は山東省の11ヵ所となっている。(図1)

図1 中国水素ST所在地

情報源:香橙会氢能数据库研究 GCFEN整理

図2 年間別水素ST設置数

 情報源:香橙会氢能数据库研究院 GCFEN整理

  水素ステーションの建設時期から見ると、2006年から2018年では年間20ヵ所以下であったが、2019年は40ヵ所とそれまでの倍以上になった。さらに2020年は47ヵ所が設置され、2019年より7ヵ所増えている。(図2)

  設置中と設置計画から見ると、やはり広東省が最も多い29ヵ所で、次は上海市の28ヵ所である。また、2022年冬季オリンピック開催地となる河北省は、水素ステーション設置に大いに力を入れており、3位の21ヵ所となっている。(図3)

図3 省別設置中・設置計画中の水素ST分布

情報源:香橙会氢能数据库 GCFEN整理


 水素ステーションは水素産業チェーンの一環として、水素産業全体の発展にも影響している。中国各地の水素ステーションの建設は燃料電池及び燃料電池自動車等の水素産業技術向上の原動力になっている。

 中国の水素製造、貯蔵、水素ステーション、燃料電池、燃料電池自動車等の水素産業チェーンはまだスタートしたばかりであり、特に貯蔵及び輸送技術を強化する必要がある。また、コア材料及び部品については輸入に依存する部分がある。

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